<話題の焦点>=新たな通訳システムの導入進む

特集】<話題の焦点>=新たな通訳システムの導入進む

 

NEC <日足> 「株探」多機能チャートより

駅などの公共施設や医療分野、会議などビジネス用途での活用も

 観光やビジネス用途で新たな通訳システムを導入する動きが活発化している。日本を訪れる外国人は増加の一途をたどっているが、その一方で、さまざまな言語に対応できずトラブルに結びつくケースが増えている。通訳担当者がいなくてもクラウドコンピューティングなど最新の技術を活用することでキメの細かい通訳を行うシステムが開発されており、これが駅などの公共施設で採用されている。

 NEC<6701>は4月1日から大阪市交通局に「クラウド型ビデオ通訳サービス」の提供を開始した。これは高品質なビデオ会議システムやスマートデバイス、5か国語対応の通訳サービスをトータルに提供するもので、地下鉄御堂筋線梅田駅など全12駅で外国人向けの翻訳サービスとして活用されている。また、凸版印刷<7911>はタブレットやスマートフォンのテレビ電話機能を活用した映像通話型の通訳サービス「とーく de TALK」の提供を今年3月から本格的に開始。日本語・英語・中国語・韓国語に対応したコンタクトセンターと映像通話サービスを活用したリアルタイムで高品質な通訳サービスの普及を目指している。

 一方、ブイキューブ<3681>は多言語通訳サービス「V-CUBE トランスレーター」のサービス対応を強化している。これまでの一般通訳、手話通訳に加えて医療通訳を3月から新たに追加。一般通訳サービスでは対応ができなかった病状や医薬品の説明など、難しい専門用語の多い医療分野でも遠隔から通訳を行うことを可能にした。東芝<6502>は昨年10月に日英・日中通訳機能を備えた外国語会議支援システムを開発。従来翻訳が難しかった日本語の話し言葉を翻訳しやすい単位・表現に変換する整文技術などを取り入れており、会議参加者の外国語会議の内容理解度を大幅に向上することを確認している。ビジネス用途でも通訳システムの導入が期待できそうだ。

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