神戸のKiss FM、突然中国語放送に

英会話 大阪、中国語、韓国語、TOEIC、英検対策ならiTOP英中韓会話へ。

兵庫県丹波地域を移動中、カーラジオで神戸のFM局「Kiss FM KOBE」を聴いていると、篠山市内で頻繁に雑音が混じり、時折なぜか中国語の放送に切り替わってしまう。原因を調べてみた。(今泉欣也)

 同FMは神戸市の摩耶山上に親局、県内6カ所に中継局があり、7種類の周波数で放送している。エリアによって最適な周波数が異なり、例えば丹波市では、市内にある氷上中継局の78・3メガヘルツで鮮明に聴くことができる。

 一方、篠山市には中継局がなく、地理的に親局(89・9メガヘルツ)と氷上局の受信エリアだが、姫路中継局(77・6メガヘルツ)が入る場所も。3種の電波が混在し、同じ周波数に合わせたままでは、きれいに入らないケースもあるようだ。

 それでは、突然聞こえる中国語の放送は何か‐。独立行政法人情報通信研究機構(東京)は、上空の特殊な電離層「スポラディックE層」による混信だと指摘する。この層は5月から夏にかけて突発的に発生。「海外のFM電波が反射して届き、同周波数の放送に影響を与える」という。

 混信が起きるのは親局の89・9メガヘルツ。国内FM局で最も高い周波数だが、中国や韓国では日本よりも高い周波数帯が使われており、電波が重なる。混信は篠山以外の地域でもみられ「(電波が)上空から降ってくるので防ぎようがない」と同FM。混信は国内の局同士でも起きるという。

 解決策として、総務省近畿総合通信局(大阪市)はインターネットラジオの利用を勧める。「スマートフォンで聴けるので持ち運べるし、雑音も混信もない」。中継局の設置については、経営が厳しい国内ラジオ業界の実態からも難しいとみられ、同FMも現時点で予定はないという。

ー神戸新聞