まぼろしの亀「ウンキュウ」

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今年1月、環境省は、ミシシッピアカミミガメの輸入・飼育禁止の方針を固める発表を行った。昭和40年ごろコロンビアクジャクガメやミシシッピアカミミガメといった緑色をした亀が日本へ大量に輸入された。これまで見た事のない奇抜な色と柄が当時の子供心をくすぶった。同時に「アマゾンの緑ガメをあげます」と言うキャッチフレーズでお菓子の懸賞品にもなり一大ブームとなった。

 

 しかし昭和50年代に入るとサルモネラ菌を保有しているという風評や成長するにつれ黒く変色し巨大化したことから池や川に放す「捨て亀」が続出した。

 

 雑食性で丈夫だったことからみるみる数を増やしここ50年の間に日本で最も有名な亀となった。その影響を受け本来生息していたクサガメや2012年に準絶滅具種に指定されたニホンイシガメといった日本の固有種が脅かされることになり深刻な問題となっている。

 

 そんな中、「ウンキュウ」と呼ばれる奇妙な亀の目撃情報が大阪で相次いでいる。一昔前は、ホームセンターなどで「まぼろしの亀」として高値で販売されていたがその正体は、クサガメとニホンイシガメの間に生まれた交雑種。生物学的に近縁である2種が子孫を残す苦肉の策として生殖したと考えられる。名前の由来は諸説さまざまだが中国語で亀を指す「鳥亀」(wugui)がなまり関西を中心にそう呼ばれるようになったのではないかと言われている。

 

 現在、自宅で「ウンキュウ」を2匹飼育している。長い尾や神経質な性格はニホンイシガメ譲りだが、甲羅のキールや首横の模様はクサガメを継いでいる。ウンキュウの出現は、自然界にとって歓迎されない事だが関西にゆかりのある「けったいな亀」である。

ー大阪日日新聞より