日韓つなぐ遍路道の小屋 香川に「友情の懸け橋」

外国人への差別貼り紙が相次いだ遍路道に「日韓友情の遍路小屋」を建てる計画が進んでいる。香川県三豊市高瀬町に夏ごろ着工し、秋には完成する予定。友情小屋に取り組む大阪府吹田市の建築家、歌一洋さん(66)は「日韓友好を表現できるようデザインしたい」と意気込んでいる。

 歌さんはこれまで、巡礼者が利用できる遍路道の休憩所約50カ所を設計しており、友情小屋もその一環。外国人女性として初めて、お遍路の魅力を伝える「先達」に公認された韓国人、崔象喜さん(38)=ソウル市=も「韓国と日本の懸け橋になってほしい」と期待し、寄付金集めに協力している。

 崔さんは2010~13年に全88札所の巡礼を4回達成。日本語の分からない外国人が迷わないよう、遍路道に矢印で道順を示すステッカーを貼る活動もしていた。

 しかし、今年4月以降「朝鮮人達が、気持ち悪いシールを、四国中に貼り回っています」などと記された貼り紙や書き込みが、徳島、香川、愛媛各県の30カ所以上で見つかった。

 強いショックを受けた崔さんは友情小屋の建設に一時消極的になったが、歌さんから「崔さんのやっていることは間違っていない」と励まされ、前向きになったという。

 友情小屋は賛同者の所有地に建て、費用は日本人や韓国人らの寄付金で賄う。これまでに計約70万円が集まっている。〔共同〕