気になる新デザイン 「グリコの看板」今秋、刷新

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江崎グリコ(大阪市西淀川区)は、大阪の繁華街・道頓堀にある「グリコの看板」をリニューアルすると発表した。看板を背景に記念撮影する観光客の姿は後を絶たず、両手を上げて走るランナーの姿は浪速のシンボル。8月ごろ工事に入るが、新しいデザインは秋の完成後まで秘密という。観光客もあれこれとデザインの予想を始めた。

 同社が道頓堀川沿いに初めてネオン塔を建てたのは1935年。ランナーとグリコの文字が6色に変化する斬新なネオンは、すぐにミナミの人気者になった。その後は43、63、72年にデザインや仕掛けが変わり、現在の看板は98年に初点灯した5代目(高さ20メートル、横幅10・85メートル)となる。

 4460本のネオン管を使って、ランナーがトラックを走る様子を表現。日没後に点灯し、背景の色が朝から昼、夕方、夜へと約2分間で一巡する。2003年には大阪城天守閣や住吉大社、通天閣と並んで市の景観形成物に指定された。

 看板のランナーは、しばしば「着替える」ことでも有名だ。サッカーW杯があった02年、大阪で世界陸上が開催された07年には日本代表のユニホームを着用。阪神タイガースがセ・リーグを独走中の03年は、阪神のユニホーム姿で18年ぶりのリーグ優勝を後押しした。

LEDを採用

 大阪の歴史を見守り続けてきた看板の新しいデザインはどうなるのか。

 ネオン管が入手困難になったこともあり、6代目はより華やかな発光ダイオード(LED)を採用する。同社グループ広報部は新デザインについて「まだ検討中です。看板にすることは決まっている。全面的にLEDに換えてしまわず、後ろの背景にランナーをはめ込む形になる」と明かす。

 

 看板近くの戎橋では、記念撮影する観光客の姿が連日ひっきりなし。外国人にも人気で、周辺では韓国語や中国語が頻繁に飛び交う。ランナーと同じ両手を上げたポーズで撮影するのが“定番”のようだ。

 

愛される看板

 「恥ずかしいけど、やっぱり撮りたいからホテルから歩いてきました」。広島県から訪れた会社員の男性(34)はこう話し、「デザインが変わるのは知らなかった。今の看板が撮影できるうちに来てよかった」と喜んだ。

 

 現在の看板には、背景に大阪城や通天閣など大阪を代表する建造物も描かれている。

 

 千葉県から来た60代の夫婦は、新看板には「新しくできた『あべのハルカス』が入るんじゃないか」と予測。東京から友人と3人で訪れた女性(20)は、2020年に東京五輪が開催されることから「オリンピックっぽいデザインにしてもいいのでは」と提案した。

 

 新デザインに期待するまちの声に対し、同社グループ広報部は「リニューアルを発表して以来、いろんな声をいただいている。愛されて、ありがたいことです」と話している。

大阪日日新聞より